『若山牧水 さびし かなし』の「菱野鉱泉」の項 について知っていることをぜひ教えてください

 

 小諸の田村病院に逗留していた牧水は、菱野鉱泉も訪れていました。

116pより

当時の、9月22日の菱野薬師如来の縁日の賑わいのようすが描かれています。

「菱野鉱泉は小諸の町からは六キロたらずで、もっとも身近な行楽地であった。農繫期を終えてからの骨休めに、あるいは一族の祝い事などに、なにかというと人々は菱野鉱泉に足をむけた。

 行楽地とはいっても、あたり一帯は浅間山の裾野の広大な落葉松林と雑木林だ。それでも昔は 菱野は、いまよりずっとにぎわいがあった。 菱野薬師如来の縁日は九月二十二日、秋期皇霊祭彼 岸の中日だった。その日は臨時列車が仕立てられて、上州や武州からもぞろぞろと参詣人が訪れ た。 小諸駅から薬師堂までの一里半の道は、両側にすし店、菓子店、茶店などさまざまな露店が 切れめなくならんだという。

 あのころの人々には菱野までの道のりなど、苦ではなかったようだ。 月夜の道を菱野まで歩く のも、昔の人にとってはごくあたりまえのことだった。」

 

 

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