筏流しについて

 

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高野龍神スカイライン途中にある恋小袖の滝が支流の源流付近とされています。龍神村、旧美山村、旧中津村で伐り出された原木5~6本を蔦桂で繋ぎ筏師によって2~3日かけて約160㎞の旅をして河口まで運び製材して御坊臨港鉄道で御坊駅まで運び貨車で大阪まで運んだそうです。旧中津村、旧美山村には筏師が宿泊した宿があります。昭和28年の大水害によって日高川沿岸の町村は甚大な被害を受け筏流しは中止せざるを得なくなりました。

子供のころ河口の天田橋から筏流しを見たことがあります。

歌舞伎などで有名な道成寺建立(701年)の頃にはすでに筏流しが行われていたと言いますから、その歴史は1000年以上にもなります。また、筏師は明治時代末から第二次世界大戦が終わるまで、満州と朝鮮の境を流れる鴨緑江へも「筏流し」として出向いていました。

以上 筏流し歌保存会著「日高川の筏業の歴史」より引用

5年位前、紀南地方は大水害によって激甚災害地に指定されましたが、日高川上流部も死亡1名、橋梁の流失、牛舎の流失、日高川町特産のホロホロチョウ鶏舎の流失等大災害を被りました。

写真提供 日高川筏流し歌保存会

日高川の水運

日高川は和歌山・奈良県境の護摩壇山を源とする河川である。                              属に流程四十八里四十八滝と言われ、全国的にも屈指の蛇行河川として水勢が激しいため、管流・流し筏の他に利用度が低く、 船運は河口の美浜町浜ノ瀬及び御坊市から中津村船津字滝本まで航行したに過ぎない。              川舟はヒラタ舟で、船頭と曳子が二人一組となって舟を操り、上りは曳子が曳綱によって遡行した。            滝本から奥はコンダ馬によって株井峠を越え美山村の川原河・串本方面へ運搬したが、一部旧川中地区の美佐・田尻へはタキ舟の依って運んだこともある。タキ舟は途中の佐井の鳴滝が岩場の難所であったので、ヒラタ舟では航行が不能のため一回り小さいが特別に頑丈なつくりであった。                                       日高川流域の生活物資や山産物は、御坊村、薗浦、島村、藤井村(現御坊市)及び奥地の商人によって取引されていたので、 川筋の船着き場もそれぞれの地区にあり、浜(日高廻船の根拠地、船主は御坊村・薗浦の商人)・土手(薗浦)・出店(島村)・藤井にあり、終点の滝本には数軒の舟問屋と共に川原の一段高い場所に上り下りの物資を保管する倉庫が建ち並んでいた。積荷は上りが米麦・塩干魚・衣類・日用雑貨・建具等で、下りは山産物である。                   御坊(薗浦)及び浜ノ瀬浦から近海へ行く船はイサバと呼ばれる五十石積ほどの小舟で、遠方へ行く舟は二百石~三百石積の小回り舟、または500石~1000石積の大回線を利用し、川口で積み替えた。                      浜(美浜町浜ノ瀬)から右岸沿いに約1km遡行すると薗浦の土手である。堤防を上がって南へ約20降りると安永4年の「右小松原へ18丁、道成寺へ30丁、紀三井寺へ10里」の道標がある。中世末から近世へかけての天田の渡しはこの辺であった。土手から0.4km上流の出店は、地名の示すとおり島村の商家の出店があったところで、薬師堂と大きな道標がある。ここは近世末から明治年間にかけて対岸の岩内との間に渡しがあったところで、増水の時に舟を繋いだと言う道標は、自然石を削ってその中へはめ込み土中深く埋めていた。ここは小松原・島善妙寺から通じた熊野街道が堤防へ上がるところで茶店があった。出店から約0.8km上流に神明の渡しがあり、さらに1km行くと藤井の船着き場と渡しである。      川は藤井から東へ大きく湾曲し、左手に法徳寺堤防を見ながら子熊(川辺町)を過ぎると六郷のユ(堰)である。      川舟はずっと右岸を通り入野・玄子・早藤・下平川を行くが、砂岩の三百瀬の上手付近から川中に岩石が現れる。      三百瀬には紀道神社(船着神社)があるが、この神社の祭神は道成寺建立の用材を流してくる途中、三百瀬の岩場で遭難した紀道成と言う。川は三百瀬の坂本(中津村)で急に湾曲するが、この突き当りも難所で狩川(菅流)の日雇いや筏乗りの遭難が多く、岸の巨岩に上品下生の阿弥陀如来と南無阿弥陀仏の名号が彫られている。                    坂本から約1.3Km行くと終点の滝本で、滝本の川中にも岩に如意輪観音像が掘られている。              なお、日高川には2か所の磨崖仏の他に中津村の鳴滝・老星・竜神村の桧皮・湯布にも南無阿弥陀仏の名号が彫られているが、前記2か所の磨崖仏以外はいずれも年代的に新しい。

「歴史の道調査報告書(Ⅻ)」より転載

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E9%AB%98%E5%B7%9D(Wikipedia)

http://www.7kamado.net/antin-kiyohime.html(安珍・清姫伝説)

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