こちらで Muroran Youth Hostel を記述

 

ユースホステルは誰でも宿泊できる施設だと、聴いてはいたものの、なにか敷居が高いというか遠慮していた。「海が見えるから」室蘭の人に勧められて50歳にして、始めて泊めてもらった。室蘭ユースホステルの建物は1972年田上義也によるもので「有名な建築家が船のイメージで建てたんですって」と街の人何人かが教えてくれた。田上建築の現役としても一見の価値はあるかもしれない。



藤当さんはは40年前に広島から赴任。それから、ここに居続けることを希望し続け、定年退職後は業務受託者としてさらにここを守っている。室蘭が大好きなのはお話を伺っていればわかる。工場見学をしながら地域の力を増やそうとする活動を室工大の先生と起こしたり、イタンキ浜で砂の造詣をつくるイベントを20年続けたり、測量山のテレビのアンテナを世界一のクリスマスツリーにしようと呼びかけたり。

 

「東側が海なんですね」

 

「そうですご来光も見えますよ」

 

「いいですね。明日の朝は自然に朝日で目が覚めますね。海をみながらかあ」

 

「それじゃ、今日は二回の『夕凪』にしましょう。一番海が綺麗に見えます」

ユースホステルの門限は22:00、風呂も22:00まで。あっさり眠って3:00に目が覚めた。

八月の半ばでも夜は寒いくらい。

 

室蘭出身の文学者の本を読んだり、旅の日記を書いたり。5:00から9:00までまた一眠り。

最高の寝心地だった。ふた晩お世話になった気分を味う。


施設の前はイタンキ浜。路を挟んで輪日の街を見下ろせば、街の向こうに新日鐵住金の煙突と港。
自然と、モノを作ってきた街の両方の風景をみると、室蘭だなあと思う。


昼間、ものすごい陽射しでも、日傘や帽子で日陰をつくると風が快適。

 


気持ちのいい風で汗をかかずに街まで降りられた。
 

市民会館の話になると、藤当さんが、輪西の人々のことを自慢してくれた。「街の人が、会館をたて、ショッピングモールを併設させて、自分たちで運営しているんですよ」と。行って見ると小さいけど、活気のある施設だった。(2014.8.25 杉山幹夫)